どうも、ダラブッカ奏者のゆうたです。
最近Youtubeを見てダラブッカを始めた方が、個人練習にYoutube動画やこのサイトを使っているという声を聞くことが増えてきてめちゃくちゃ嬉しいです。
僕がハマったダラブッカという楽器が少しずつでも広がっていけばこれ以上に嬉しいことはありません。
ダラブッカって何?って方はこちらの記事をどうぞ↓
興味がありましたらぜひYoutubeチャンネルにもご登録ください。なるべく毎週レッスン動画をアップロードしています。
さて、今回はダラブッカに興味が出てきて買いたいものの、検索してみるとたくさんありすぎてよくわからない。
また、どこで買えばいいのかわからない、という方向けの解説です。
ぜひダラブッカ購入の際の参考にしてみてください。
*今回のブログ記事で載せている写真はすべて浜松のショップ『JALI』さんから使わせていただきました。
JALIのてっちゃん、ありがとうございました!
ダラブッカはどれを買えばいいの?
ダラブッカとは中東音楽で主に使われる楽器でゴブレット型とも言われる特長的な形をした丸い太鼓です。
シンプルな構造でありながら、ドーンと響く低い低音から、キーンと鳴り響く甲高い高音まで様々な音を出せる楽器ですが、まだまだ日本国内ではマイナーな楽器のため、どのようにしてダラブッカを選べばいいのか?がよく分からないですよね。
そこでまずはダラブッカを選ぶ際に考える必要のある
- ダラブッカのサイズ
- ダラブッカの素材
- ダラブッカの形状
- ヘッドの素材
について解説しています。
1. ダラブッカのサイズ
ダラブッカとはゴブレット型の太鼓のことを指しますが、実はそのサイズによって出せる音も違えば、名前も違います。
サイズに関しては様々なサイズのダラブッカが存在しますが、ここでは一般的な4種類について解説いたします。
22cmヘッドサイズが主流のスタンダードモデル
最もスタンダードなサイズのダラブッカで、多くの方が持ってる or 見たことのあるサイズもこれだと思います。
ダラブッカをこれから始めようと考えている方には最もおすすめのスタンダードサイズです。
23cmヘッドサイズ主流の一回り大きいモデル = ソンバーティー
22cmよりも一回り大きく、「ソンバーティー」とも呼ばれるサイズのダラブッカ。
国内外問わず、プロ奏者がよく使用するサイズがこれだと思います。
23cmが一般的ですが、24cmのヘッドサイズのソンバーティーも存在します。
以前、「なぜプロ奏者はソンバーティーをよく使うのか?」を日本国内のプロ奏者に尋ねたことがあるのですが、その際の回答は
と仰ってました。
僕自身が使っているサイズも23cmヘッドサイズのソンバーティーになります。
26cmヘッドサイズ主流の大きいモデル = ドホラ
ヘッドサイズが26cmでソンバーティーよりも一回り大きく「ドホラ」とも呼ばれるサイズのダラブッカ。
太鼓は大きければ大きいほど低音が特徴的になっていきますが、このドホラも重低音が特徴的なタイプです。
主に伴奏やバッキングで使われることが多いですが、合奏で「ドホラ」がいるのといないのとでは、音の厚みが全く違ってくるほど重要なサイズです。
26cmが一般的な「ドホラ」のサイズですが、それよりもまた一回り大きい(28cm)「ビッグ・ドホラ」等と呼ばれるサイズもあります。
2. ダラブッカの素材
ダラブッカはサイズだけでなく、太鼓の素材でも様々な種類があります。
現在大まかに分けると2種類が主流です。
金属素材のダラブッカ
アルミや銅を使用した胴体部分に、プラスチックのヘッドを貼ったタイプのもので、今最も出回っている素材のダラブッカではないでしょうか。
胴体部分に木や貝殻をちりばめた模様が埋め込まれているものが多く、その模様の鮮やかさから欲しくなる方もいらっしゃるようです。
金属素材のダラブッカのプラスチックヘッドはボルトで留められており、そのボルトを締めることで緩んできたヘッドを貼り直すことも可能です。
ボルトは一度セッティングまたはチューニングしたあとは緩める必要は基本ありません。
ただし、このタイプのダラブッカは基本的に日本国内では作られておらず輸入物が殆どです。
もし輸入した際の状況が悪かったり、演奏していて「音がおかしいな?」と思ったらプロに依頼して修理することをお勧めします。
↓僕も師匠から送ってもらったダラブッカを3年ほど使用したあと、プロに修理&チューニングしてもらいました。
陶器のダラブッカ
テラコッタなど土や粘土を素焼きにした胴体部分に、天然の皮(魚や動物の皮)を貼ったタイプのもので、より伝統的なダラブッカの形。
民族楽器と聞いてイメージするのもこちらのタイプかもしれません。
乾燥地帯の中東で発達したタイプの楽器のため、日本国内で使おうと思うとその湿気などへの対策も考えなくてはいけないのがこのモデルの特徴。
電球を太鼓内部に設置してヘッドを乾燥させたり、ドライヤーで乾燥させたりと人それぞれ様々な方法でケアしているようです。
ダラブッカの叩き方には様々なスタイルがありますが、一般的に「モダンスタイル」または「ターキッシュスタイル」などと呼ばれるスタイルの奏者が好んでよく使用する傾向があります。
また魚や動物の皮をヘッドに採用している為、前述したプラスチックのヘッドよりも柔らかい音がする特徴があります。
3. ダラブッカの形状
ダラブッカは中東の太鼓といってもエジプトやトルコなど国によって様々なタイプがあり、
その形状によって叩き方などが変わったりします。
ここでは主流の2タイプについて解説します。
打面周辺丸くなっているタイプ = エジプシャンダラブッカ
金属素材のダラブッカの中で最も一般的な形状のダラブッカであり、プラスチックヘッドを留めるボルト穴が埋め込まれているタイプです。
縁の部分が丸くなっているのでTやKの音をダイレクトに叩くことが可能。
打面周辺が角ばっているタイプ = ターキッシュダラブッカ
金属素材のダラブッカと同じように胴体は金属、ヘッドはプラスチックを使用するが、エジプシャンダラブッカよりも小ぶりで軽いものが多いのがこのタイプ。
プラスチックヘッドを止めてあるボルトがスネアドラムのように剥き出しで角ばっている為、指のスナップを聞かせてTやKのような高音を出すのが特徴です。
4. ヘッドの素材
金属素材のダラブッカには基本的にプラスチックのヘッドを装着して使いますが、そのヘッドには様々な種類があります。
クリアヘッド
最も一般的であり、よく見るタイプの透明なヘッド。
大体ヘッド部分にメーカーのロゴが入っていたりします。
メーカーのロゴはシンナーなどで拭き取ると消えるので、敢えてロゴを消す奏者の方もいらっしゃいます。
クリアは固くて強いフィルムのことが多く、低いDの音から甲高いTとKの音までバランスよく鳴ります。
個人的にはソリスト(ソロ演奏をする人)が好んで使うイメージです。
カラーヘッド(ブラック or ホワイト)
白や黒など色のついたヘッド。
クリアヘッドより少し柔らかめのフィルムを使っているからか、音が柔らかい印象があります。
TとKの高音が美しくなります。
スキンディープ&ファイバーヘッド
カラーヘッドよりももっと柔らかめのフィルムを使用し、表面に魚や動物の皮を模したプリント(スキンディープ)やファイバーを施されているのが特徴。
スキンディープはカラーヘッドよりも柔らかく、表面がサラッとしたヘッド。
ファイバーはスキンディープよりもサラサラで、ファットな音が出ます。
ファイバーヘッドは、プラスチックフィルムの上にファイバー素材が貼られていて、プラスチックヘッドをミュートしたようなモッサリとした暖かみが出る一番特殊なヘッドです。
ダラブッカはどこで買えばいいの?
現在日本では金属素材のダラブッカを作っているメーカーはなく、基本的に購入する際には個人で輸入するか、輸入品を売っている楽器店で買うことになります。
輸入品なので輸送状態によっては、胴体部分にヒビが入っていたり、音がちゃんと出ないものもあるので購入の際には直接叩ける楽器店に行くのをオススメします。
もしお店に直接行くのが難しく、ネット経由で購入する場合は、輸入品であっても一度バラしてきちんと整備しているお店をお勧めします。
個人的な僕のおすすめで、うちのスクールの生徒にも薦めているのは、
静岡にある『JALI』
近場の人であれば直接お店に行くのをオススメしますし、ネットでも購入可能です。
店主のてっちゃんはタブラ奏者としての腕前もチューニングの腕前も一流なので、通常のネット販売している楽器店よりもダラブッカへの理解は深いお店だと思います。
少なくとも楽天やAmazonなどで売っているものよりは確かな物を売ってくれると思います。
何度でもどんな些細なことでもご質問いただければ説明させていただきます
結局オススメはどれ?
いろいろ解説をしましたが、皆さんが一番知りたいのは↓
ってことですよね。
個人的にデザインなどは自分の好みに合うタイプのものを購入すれば良いと思いますが。今回解説した
- サイズ
- 素材
- 形状
- ヘッドの素材
に沿ってオススメを選ぶなら
- 22cmサイズヘッドサイズ
- 金属製(アルミダイキャスト)
- エジプシャンダラブッカ
- ヘッドはクリア or カラーヘッド
のタイプを推します。
しっかりとダラブッカの魅力を楽しめますし、長い目で見て使えるダラブッカだと思います。
最初の一台のメーカーに選ぶなら、『Gawharet el fan』のモザイク柄がオススメ。
予算的に低価格で抑えたい場合は『Gawharet el fan』のモザイク柄が入っているものよりもメタリック or カラー塗装(一色)のモデルがオススメ。
カラー塗装モデルは軽量で低価格なことが多いですが、ブランドによっては軽量な分、音が弱いので太鼓同士のアンサンブルで自分の男が聴こえづらくなる傾向もあるので、その辺りを参考にしてみてください。
最後に
ダラブッカと一言に言っても、その形状やサイズ、素材など様々な要素から構成されている楽器です。
また、ここでは説明していませんがどこで作っているか?もダラブッカには重要な要素です。
例えばエジプト製ダラブッカのヘッドは作りが荒いため、最初からテンションバランス(ヘッドの貼っている強さ)が崩れています。
ヘッドのフィルムもしっかり噛み込まれていないため、引っ張った時にズレてさらに崩れていたりします。
ボルトを締めて(ボルトを締めることでヘッドを引っ張ります)張っても、「カコカコ」といった音になったり、淵にシワが出たり……
極たまに使える音になりますが、確率は10%以下で通常はまともに使えるものではありません。
また、擦り傷などもすごく多いです。
POWERBEATという有名メーカーの偽物なども出回っていて、日本でもそれを販売しているサイトなどもあるので注意してください。(もちろんこのサイトで紹介しているJALIなら安心です!)
全ての種類や全ての素材を知る必要はありませんが、自分の持っている、または自分の欲しい太鼓はどのタイプでどういう特徴があるのか?を知っておくと良いかもしれません。
ダラブッカは決して安くない楽器なので、結局最終的に一番重要なのは
だとは信じてますw